海外への荷物の送付について

ドイツでの長期滞在に伴い,日本からドイツに別送品として数箱の段ボールを送付しました.その顛末について述べたいと思います.

渡航前にすでに滞在先の住所は決まっていましたが,当然のことながら住民登録(Einwohneranmeldung)を行っていないので,宛名は滞在先の同じ住所に住む大家さんにして送付しました.

日本での発送手続き

1. 梱包

  • 内容物を箱に梱包します.
  • 段ボールに入れ船便で送る予定なので,濡れる可能性も含めて,手荒に扱われる前提で,厳重に梱包します.

2. 送り状(伝票)・インボイス作成

  • 発送元,宛先(ドイツの住所)を英語またはドイツ語で記載
  • 双方の連絡先
  • 内容物の詳細を記載します(例:used clothes, books など)
  • 内容物記載について煩雑なほど詳細なリストが,郵便局(およびそのホームページ)にありますので,それに従って一点毎に記載します.「自分宛」に送付するとしても,これは詳細に記載する必要があります.

郵便局の国際郵便に関するHP

ここでは丁寧に発送までは説明されていますが,実は受け取りの方がはるかに大変です.

  • それぞれの価格(中古でも「申告価格」が必要です).また最終的に合計金額も記載します.
  • 内容品種:贈物,販売品,商品見本,返送品,書類などがありますが,あてはまるものに印をつけます
  • 送り状(伝票)・インボイス作成は手書きでも可能ですが,国際郵便のHPから入力し,それを印刷することで作成することもできます.

3. 発送

  • EMS・航空便・SAL便・船便などがあります.それぞれ配送に要する期間と費用が異なります.
  • 今回は船便を利用しました.10Kg程度の段ボール箱2つを送って,料金は15,000円程度でした(2026年現在)
  • 郵便局から追跡番号が発行され,これをもとに荷物の現在の状況を追跡することができます.

日本出国 → 国際輸送

1. 日本の輸出処理

  • 日本側で簡易的な輸出審査
  • 問題なければ出国

2. 国際輸送

  • EMS:数日〜1週間
  • 航空便:1〜2週間
  • 船便:1〜3ヶ月
  • 今回はドイツへの住所に到着の通知が来るまで,2ヶ月半かかりました.

ドイツ到着 → 税関手続き

すんなりと荷物がドイツの住所に到着すれば,ここからは知らなくても問題ありません.問題が発生した時,その原因を知るために,荷物が辿る経路について説明していきます.

1. ドイツ入国

  • 荷物はまず日本郵便の用語でいうところの国際交換局に到着します.ドイツではDeutsche Postがそれにあたります
  • 国際交換局は,到着した荷物を登録し,追跡情報を更新します.
  • 荷物のデータを税関に連絡し,それぞれの荷物のこの後の取扱について税関から指示を受け取ります.
  • ただし非EU地域から到着した荷物は,若干の例外を除いて全て税関審査の対象となるようです.

2. 税関(Zoll)による検査

税関では以下の観点から荷物をチェックします:

  • 内容物
  • 価格(課税対象か)
  • 禁止物の有無

荷物の運命の分かれ道!通関審査の結果

A. 問題なし →そのまま宛先への配達になります

  • 申告書の記載が明確で,疑問の余地なし
  • 荷物の価値が低い
  • 課税の必要なし

B. 課税あり → 荷物は宛先に配達されるが,配達時に税金を支払います

  • 受け取りに際して,ドイツの場合VAT(付加価値税)約19%か,品目によって異なる関税を支払う必要があります.
  • 支払いは配達員に支払うか, 後日請求書が送付されて,それに従って支払う必要があります.

C. 税関で荷物が止まるケース

  • 荷物が止まると税関から宛先に郵送で通知が来ます.
  • 通知には,荷物の引き取り方法,税関の場所,引き取りに際して必要な書類, 保管期限(通常7〜14日)等が記載されています.

税関で引き取りになる理由

以下のようなケースだと判断されると,税関引き取るなるようです.私の場合,品目・価格をきわめて厳密に記載荷物一箱と,ざっくり書いた一箱の両方が税関で止められたので,実際の判断はかなり恣意的,ないしはほぼ全て止められているというのが実情なのかもしれません.日本から荷物を送ったことがある,現地在住の方と話した限りでは,ほぼ全員,税関引きとめになっているようです.

1. 申告内容が不十分・曖昧だと判断されたケース

  • 「personal items」だけ
  • 品目がざっくりしすぎ

2. 内容物の価格が不自然なケース

  • 価格が低すぎる
  • 未記入の場合

3. 自分の私物を自分宛てに送っても課税対象!

  • 自分がすでに所有しており,自分で使用するために自分に宛てて送ったものだとしても,ドイツに持ち込んだ時点で,一部の例外を除いて原則課税対象となります.

4. ランダム検査

  • 上記の全てに該当しない場合でも,一定割合で税関で止められるようです.

後で受け取った段ボール箱には,税関での留め置き対象であるという説明のラベルがしっかり貼ってありました.

税関での受け取り手順

1. 税関に出頭する

私はハンブルクに在住なのですが,指定された税関の住所はハンブルクだったので,それほど大変ではありませんでした.船便の荷物なら到着は港湾都市であるハンブルクであることは容易に想像できます.どの程度多くの場所に税関が設置されているのかわからないのですが,もしベルリンなどに在住していて,ハンブルクに来いということでしたら大変な手間です.ここら辺はどうなっているのか知りたいところです.

2. 必要書類

  • 身分証(パスポート)
  • 税関からの通知書
  • 送り状の控え
  • 内容物の価格を証明する書類:例えば,購入レシート,ネットサイトの注文履歴,クレジットカードの明細.
  • 同様の状況に至った方のホームページを見ると,私物の中古購入価格を証明するために,ebay(国際版のメルカリ)などで類似品を検索して,それを1点毎に提示させられたというのまでありました.

3. 開封検査

  • 窓口で事情(事実上,引っ越し荷物であり,内容は私物であること)を説明し,受け取りのために書類を記入すると,受付番号票を渡されました
  • 番号を呼ばれ, 職員立ち会いで開封

私の具体的なケース:荷物を持ち帰ることを想定して大家さんが車を出してくれて,2人で税関に行っていました.荷物を開封した瞬間に一番上にあった,いかにも高くはなさそうな冬物のコートを見た瞬間に職員の顔色が変わったのを私は見逃しませんでした。他の方の最悪なケースを想像していた私に,税関職員が言ったことは,以下のようなものでした.「送付先の宛名は,あなたではなく○○さん(大家さん)ですよね.○○さんはこれを,発送元の△△さん(つまり私)から贈り物として受け取ったのですよね.そしてその総額は45ユーロ以下ですよね?」何となく,事情を察した我々は,「はい,そうです」と答えました.その後,大家さんが受け取りのサインをしただけで,荷物は我々に無事手渡されました.

無事荷物は問題なく到着

4. 税額計算

  • 通常は,こちらが提出した商品価格(中古価格)を根拠に税額が算出されるようです.
  • それは一般的にVAT(19%)か商品毎に異なる関税額になります
  • その場で現金もしくはECカードで支払います.

おまけ:

今回のケース,送り先が「自分自身」でなかったことが幸いしたようです.税関職員は,大した額ではないものを,細々とチェックする手間を省きたい感じが,ありありと見えていました.そこで,私とやりとりして,私の私物であることがはっきりしていたにもかからわず,大家さんへの「贈り物」パターンを適用したようです.私が一人で税関に行っていたら,結構ややこしい話になった可能性がありました.

また,メルカリで中古価格を提示しなくてはならない可能性があることを前日に大家さんに説明したら,彼はネットで何かゴソゴソ調べていました.後で聞いたら,「不要品差し上げます」という感じのサイトで,私の荷物の中にある私物と同じようなものが「無料でやりとり」されている事実を税関職員に提示して,市場価格が「0ユーロ」であると主張しようと思っていたと言っていました.

重要なポイントして,自分宛の私物だとしても、EU域外からの荷物に対しては相当額の税金を払わなくてはならないということのようです。また他者宛の贈り物だとして45ユーロ以上の価値がある場合、やはり税金を払う必要があるようです。自分宛の食品等の場合は、贈り物という論理は通用しないようです。

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>フェルドハイムにおける再生可能エネルギー事業

フェルドハイムにおける再生可能エネルギー事業

ドイツ連邦共和国ブランデンブルク州にある集落フェルドハイムでは,現在(2024年)陸上風力発電,太陽光発電,バイオガス発電,村内全域への温水供給システム,蓄電施設が稼働しており,さらに水素の生産・貯蔵設備の建設が進められている.フェルドハイムは人口130人,世帯数30余りの集落にもかかわらず,それゆえにドイツ国内のみならず,全世界から視察が殺到する地域となっている.その様相は,外部の観察者の目線からすれば,まるで再生可能エネルギーに関する常設の一大ショールームのようである.

しかしながらよく注意して観察すると,それぞれの事業は,特定の企業の主導によって,地域社会と分離した形で運営されているのではなく,フェルドハイムの地域社会ないし市民社会と企業とが,有機的かつ不可分の形で協働する形で機能していることに気付かされる.

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