ドイツのスーパーで食料品を購入しようとすると、パッケージにほぼ全てといっていいほど、NUTRI-ScoreとInitiative Tierwohlというロゴ?が表示されています.これは以前はそれほど見かけなかった気がするのですが、一体これは何ということで少し調べてみました。
NUTRI-Scoreとは?
糖尿病、肥満、心血管疾患といった食生活に関連する疾患は、長年にわたり増加傾向にあります。しかしながら同時に、商品の種類がますます増えているため、消費者は何を買えば良いのか迷ってしまうことも少なくありません。NUTRI-Scoreとは消費者が適切な商品を選びやすく、バランスの取れた健康的な食生活を送れるようにするため、政府の主導で食品の栄養価をパッケージに表示したシステムです。表示は色とアルファベットの2つの指標だけを使って、商品の栄養価を評価するものです。これにより、食品の比較が容易になり、例えば2種類のヨーグルトのうちどちらが栄養的に優れているかを、消費者は一目で判断できるようになります。
チーズに表記されたNUTRI-Score:Dランクと記載
ハムに表記されたNUTRI-Score:Eランクと記載
その歴史
プロジェクト自体の開始は2014年のフランスに遡ります。フランス政府 の主導で、こうした表示方法の研究を提案されたソルボンヌ・パリ・ノール大学のセルジュ・ ヘルクベルグ教授の研究チームによって開発されました。しかしながらこれは全く白紙からのスタートであったわけではなく、イギリスのFood Standards Agency(英国食品基準庁)が作った栄養スコア方式を土台にしています。
NUTRI-Scoreは、いくつかのヨーロッパ諸国で導入されています。発祥国であるフランスに加え、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、スイスでは既に利用され、また国際がん研究機関と世界保健機関(WHO)によってその使用が推奨されています。その他の国々もNUTRI-Scoreの導入に関心を示しています。また導入した国では、その評価方法に対して、様々な方面から批判ないし改善の要請がなされ、NUTRI-Scoreアルゴリズムの全面的な改訂が、2024年1月1日にドイツ、オランダ、スイス、ベルギーで施行されました。2026年1月1日以降は、更新されたアルゴリズムのみの使用が許されています。2026年1月1日以前に販売された製品については、不必要な食品廃棄を避けるため、引き続き販売することが可能です。
仕組み
NUTRI-Scoreは、食品の総合的な栄養価を示すために、AからEまでの5段階の色分けスケールを使用します。科学的に妥当なアルゴリズムに従って、エネルギー含有量と、栄養的に有益な栄養素と有害な栄養素のレベルを計算し、その結果をA(濃い緑)からC(黄色)を経てE(赤)までのスケールに割り当てます。例えば、食物繊維やタンパク質のレベル、果物や野菜の量は有益な栄養素とみなされます。エネルギー、飽和脂肪、塩分、糖分は有害な栄養素とみなされます。個々の栄養素レベルにポイントが割り当てられ、これらのポイントを合計して総合スコアが決定されます。
これらを、5つの色と文字の組み合わせによって表示します。濃い緑色のAは栄養成分がより優れていることを示し、赤色のEは栄養成分が劣っていることを示します。スケール上で値が左に寄るほど、その食品の栄養価は高くなります。右に寄るほど、同じ種類の他の製品と比較して、その食品の栄養価は劣っていることを示します。
食品企業は、NUTRI-Scoreを表示するには、フランス保健省傘下の機関であり商標登録者である「フランス公衆衛生庁」(略称「Santé publique France」)のウェブサイト上で登録を行う必要があります。この登録に際し、食品企業は、登録した商標の下で市場に出回っているすべての製品にNUTRI-Scoreを使用することを約束しなければなりません。また一定の移行期間終了後は、登録されたブランドに属するすべての食品にNUTRI-Scoreを表示することが義務付けられます。そのためその企業の評価の高い食品のみにNUTRI-Scoreを表示するということはできないことになります。
問題点
実は、NUTRI-Scoreは実はいくつか重要な問題点をはらんでいます。それについては、Initiative Tierwohlのロゴと一緒に別の機会に論じたいと思います.