コスタ・パシフィカ(Costa Pacifica)について
船の概要と全体的な印象
- 船籍: イタリア
- クラス: コンコルディア級
- 母港:ジェノヴァ
- 所有者:カーニバル・コーポレーション
- 運航会社: コスタ・クルーズ
- 建造所:パレルモ(イタリア)
- 就航:2009年6月5日
- 改修:20217年
- 全長:290.2 m
- 全幅:35.5 m
- 最大喫水:8.3 m
- 排水量:56,654.3 トン
- 総トン数: 114,288
- 乗組員:1,110名
- 乗客数:最大3,780名
- 客室数:1,504
デッキは合計で17あり、そのうち14が乗客用デッキです。船内の総面積は、サッカー場にするとほぼ5面分に相当します。船内には13のバーと5つのレストランがあり、1,487席を備えた劇場もあります。
公式のパンフレットとデッキプラン(英語)←ここをクリックするとデッキプランが表示されます。
この船は主として西地中海で運航されています。乗客5,000人を超えるクルーズ船が増える中で、この船のキャパシティは3,000人程度であり、大型クルーズ船の中では、現在においては中規模のものとなっています。またクルーズ船が巨大なテーマパーク化している流れの中で、この船はどちらかというと、「イタリア的な」ホスピタリティ体験を重視する方向で運営されているようです。乗客数が3,000人規模である(それでも十分大規模ですが)ため、船内はそれほど混雑した感じはしませんでした。
コスタクルーズの日本語パンフレット←ここをクリックするとコスタの日本語の公式パンフレットが表示されます。
前回の記事では、乗船までについて述べましたので、今回は船内の様子に限ってまとめていきたいと思います。
食事
クルーズ船での旅の醍醐味の一つは、船内での食事といえるでしょう。またコスタ・クルーズは、他のクルーズ会社と比較して、イタリアンな雰囲気を出すことに力を入れているそうですので、特に食事には気合いが入っているようです。
ディナー
食事の一番のハイライトとなるのは、ディナーです。今回乗船したコスタ・パシフィカにはMy WayとNew York New Yorkという名称の約1,000人と約700人を収容できるメインレストランが2つ設置されています。乗客は、指定された時間帯に指定された座席で夕食をとることになります。サーヴィスを提供するクルーも毎日同じですので、そのうち顔なじみになり、様々な船内事情等の情報も得られるようになります。
メニューは基本的にイタリアンで、前菜・プリモ(主菜一皿目)・セコンド(主菜二皿目)・デザートから構成されます。毎日上記の4品それぞれが、3種類ずつ異なった料理がチョイスできます。
メニューの一例←クリックするとメニューがダウンロードされます。
(前菜)
(デザート)
前回コスタ・クルーズを利用した時は、紙媒体のメニューがテーブルで渡され、ドリンクを飲みながら、その場でチョイスを考えるという形式でしたが、今回は専用のアプリにすでにメニューが掲載されています。ただしサプライズの意味もあるのか、前日の深夜くらいにならないと、翌日のメニューには更新されていないようでした。料理の名称は、結構知らない時もあるので、その場できまりの悪い思いをしないように、事前勉強できるのはありがたいです。またメニュー読んでこなかった時には、テーブルに備え付けのバーコードを読み込むと即座にメニューが表示されます。またもっと古風なのが良いという方は、自分たち専属のクルーにお願いすれば紙媒体も準備してくれます。
スマホでメニューを見るといっても、注文もスマホからなんていう野暮なことはなく、クルーが一人ずつ確認をしながら注文をとります。
内容は毎日異なり、メニューが重なることは一回もありません。ただし、あえて同じメニューを食べたい方も一定数いるようで、定番メニューも用意されており、積極的にそちらを選ぶこともできます。
こうしたあえて格式ばったスタイルが苦手という方は、別のフロアLa Palomaというビュッフェ形式のレストランに行くこともできます。ディナーとしてどちらのスタイルを選ぶのかは、本人の決定次第です。私たちは、クルーや隣の席のお客さんたちとの交流を楽しみたかったので、ディナーは全てこのメインレストランで頂きましたので、ブッフェレストランでのディナーの様子は、わかりません。
ちなみにこのそれぞれ3種類からチョイスする4品から構成されるコースは、場合によっては前菜から2品、主菜2皿目を2品という注文も可能なようです。「フードロスを防ぐために、それぞれ一品ずつがよろしいのではないでしょうか?」とわざわざテーブルに表示がありましたので、そういう方もいるようです。全体の量を考えた時、私たちはそんなことは、思いもよらなかったのですが....
(食事の写真)
朝食
朝食は上記のLa Palomaと、メインレストランのNew York New York、そして後述するスペシャル・レストランの一部の空間が、朝食スペースとして開放されていました。そこでビュッフェ形式で、頂くことになります。ただし、New York New Yorkで朝食をとった場合、卵料理とパンケーキなどをオーダーすることができます。
昼食
昼食も原則朝食と同様です。ただし朝食と異なり、メインレストランのNew York New Yorkは、完全オーダー制のコース料理の提供となります。ディナーとは異なるのは、座席の配置のみで、入店順に案内されることになります。コースの内容も、ディナーと同じ4品構成なので、結構ヘビーです。近くのお客さんをみると、何品か注文をパスしている方も見かけました。
私たちは基本、船が停泊中の日中は、上陸ツアーに出かけ、あまり船内で昼食をとることはありませんでした。
ティータイム
昼食時間(〜15:00)が終了すると、ビュッフェレストランであるLa Palomaにおいて、間髪置かずティータイムが始まります。ここではフルーツとケーキを中心とした軽食とフィルター・コーヒーと水が提供されます。
夜食
船内紙の情報によると、ビュッフェレストランであるLa Palomaでは、夕食提供後、23:00頃から夜食が提供されるようです。ここまで目を通された方は、想像できると思いますが、あまりに満腹で、私たちはこの機会を利用することはありませんでした。
スペシャル・レストラン
前述のMy Way 、New York New Yorkとla Palomaの他にコスタ・パシフィカにはArchipelago – Edition I、Sushino(寿司)、The Salty Beach Street Food(ハンバーガー)、Pummid’Oro Pizzeria(ピッツエリア)、Teppanyaki Restaurant(鉄板焼き)という5つのスペシャル・レストランがあります。ここでディナーもしくは昼食をとることができます。その際には、15〜90ユーロ程度の追加料金を支払う必要があります。これらのレストランは、メインレストランに比べると、圧倒的に座席数が少ないので、事前に席を予約しておくことが必要な場合があるようです。
ちなみにArchipelagoは、コスタが契約しているフランス人、イタリア人,スペイン人の3人の総料理長の合作のコース料理の提供だそうです。興味を惹かれたのですが、全部で12品のコースという説明を受けた時点で、ただでさえ常時満腹気味だったので、遠慮することにしました。
Pummid’Oro Pizzeria
メインレストランのコースは十分素晴らしいですし、日本人がイタリア船に乗って、寿司や鉄板焼きというのもどうなのよ、という気がしていたので今回はスペシャルレストランはパスするつもりでいました。ただし今回の我々のクルーズこのピッツェリアで1回食事をとることができるという特典がありました。とはいっても三度の食事がすでにクルーズ料金に込みなので、どこでこの特典を使うのか悩みどころでした。
昼食のどこかで、と考えたのですが、このピッツェリアは夜しか開いていないことが判明。フルコースのディナーとピザをバーターするのはいかがなものか、という(貧乏臭い)発想で悩んでいました。しかしながら豪快に夜更かしをした日に、一度夜食として食べてみました。やはり本場のピザは美味しかったです。
(ピッツェリア)
カフェ
船内に1カ所、Gelateria Amarilloという名称のジェラテリア(アイスクリーム・ショップ)があります。他のバーの店員はバー・テンダーですので、なんかイケイケの感じなのですが、明らかにここの店員さんたちはほのぼのした感じなのです。お店の感じも、テンション上がりまくりの他の場所に比べ、何か穏やかな感じ。私たちのクルーズの特典のもう一つに、ジェラート食べ放題(ただし1回につき2個まで)というのがありましたので、夕食後は必ずここ、コーヒーを飲んで一服という感じなっていました。店員さんの方も、東洋人の乗客はほとんどいないのに、いつも来る東洋人ということで、すでに乗船2日目には常連という感じ。おまけに酔っ払ってジェラートのグラスを割ってしまったので、完全に顔を覚えられてしまいました。
(ジェラテリア)
バー
踊るという行為は本当に万国共通なような気がします。ただし日本人は、平均するとこの能力に関して異様にレベルが低いと思います。最近の若い人たちを見るとようやく世界の平均に到達しつつあるのかな?と思います。我々は、残念ながらこのノリにはついていけず、さみしくバーの隅っこでお酒をチビチビ飲んでいました。
船内のバーのメニューと料金←クリックするとメニューがダウンロードされます。
(バーの写真・動画)
船内
船の最上部は、基本的にプールとデッキ、それからスパから構成されています。
多くの乗客にとって、デッキにデッキチェアを並べ、日光浴するのが、クルーズの最大の楽しみになっているようです。また上陸後のツアーでも、ビーチに行ってまた日光浴をしているようで、「どんだけ日に当たるのが好きなの」と私なんかは思ってしまいます。以前からこのヨーロッパの人たちの行動を不可解に思っていたのですが、一度ドイツで冬を経験するとその厳しさに、日差しに飢えるその姿勢が理解できたような気がしました。しかしながら、今回のクルーズの圧倒的な乗客はイタリア人のようです。そんなに冬は厳しいと思えないのに、何故?という感じです。
(プールとそのまわりの写真)
デッキは、早朝には全く違う顔を見せます。静けさが支配する中で、洋上で見る日の出は、他ではできない経験です。ただ徹夜明けの若者たちがデッキに転がっているのは、いただけないのですが...
(日の出のデッキ)
ドレスコード
平均的な日本人は、回りの目が気になってしょうがないようで、このドレスコードというのが曲者です。回りの人から浮かないようにと悩むようですが、回りというのは何十カ国のそれぞれ異なった文化的背景を持った人たちなので、そもそもこの悩みというのは、正解のないものだと割り切った方が良いでしょう。重要なのは、自分が納得することだと思います。
前回クルーズした時は、船内紙に今日は「カジュアル」とか「エレガント」なんて、なんとなくイメージできる感じのドレスコードが書いてありました。
今回は、ドレスコードについては、「黒」(←皆既日食にかけている)とか、「動物」とか、「色鮮やかに」なんて感じで、個人の解釈とセンスを問う感じでした。動物の日には私は、動物の絵柄をデザインしたボールペンを胸ポケットに差しておしまいという感じにしていました。それに対して、着ぐるみに動物のフェイス・ペイントという人たちが大量に発生していた一方で、ヒョウ柄のジャケットやズボンというのも「定番」の感じで沢山いました。こんな衣装をわざわざスーツケースに入れて持ってきているわけですから、彼らは事前にどこかでこの情報を仕入れているはずです。
ショッピングエリア
コスタのロゴをあしらったグッズ、おもちゃ、ブランド物の時計、アクセサリー、衣料品などが販売されています。
カジノ
船内にはカジノも設置されています。結構なスペースが割り当てられているのですが、3,000人以上の乗客がいる割には、それほど繁盛しているようには見えませんでした。こういうエンターテーメントがうけるかどうかは、ある程度国民性があるのでしょうか?その辺はよく分かりません
(カジノの写真)
日食
実は、恥ずかしながら乗船してから始めて知ったのですが、今回のクルーズの最大の目玉は、地中海上で完璧に見られる皆既日食だったようです。この日は船内のドレスコードも黒でしたし、皆既日食にちなんだ特別メニューも用意されていました。ただし「皆既日食バーガー」は、私には黒焦げになったバンズにしか見えませんでしたし、「皆既日食リゾット」は単なるイカスミリゾットだろうと思ったのですが、それは野暮すぎるということでしょうか?
船は地中海上の、わざわざ皆既日食が完全に見える位置を航行したようです。また皆既日食の瞬間には、多くの乗客がなるべく見えるような方向に船を旋回させて、停泊していました。皆既日食になった瞬間には、まさに一瞬夜が訪れ、体感気温が下がるという経験はなかなか凄いものでした。また太陽が再び満ちながら、欠けたまま日没を迎えるというもの何とも言えない光景でした。ただし残念ながら、皆既日食になった瞬間だけ、雲がかかってしまいました。数千人が一斉にため息をつくという光景もなかなかお目にかかれません。
(コスタ提供のビデオ)
船室
今回私たちは「売れ残り品」を予約したので、内側船室でした。内側船室というのは、船の内側に配置されている部屋であり、室内に全く窓がありません。船旅なのに部屋からは全く海が見えないということになります。しかしながら、船内には海が見渡せるデッキ(寝そべることも可能)が広大な面積で設置されており、また四六時中、何らかのイベントやバー・カフェが営業しているので、部屋は寝るためだけにあれば良いと割り切る人向きです。ツアー料金は当然一番安くなります。
避難訓練
(他の記事を参照)
国際航路を運航するクルーズでは、乗船後24時間以内に避難訓練を全乗員・乗客に対して行わなくてはならないという規則があるようです。
以前MSCでクルーズに参加した時は、乗船後一斉に避難訓練が行われたのですが、今回は随分様変わりしていました。簡単に言ってしまえば、専用のアプリで行われる緊急時の行動についての案内を視聴すれば良いようです。視聴し終わった後に、アプリ上で返信が要求されるので、それに回答すれば、原則として、避難訓練参加者として記録されるようです。ただしこれで終了ではなく、アプリでの説明の最後に、指定の避難時の集合場所に救命胴衣をつけて来るように指示がなされるので、その場所に行かないと最終的に参加とは認められないようです。
集合場所に行ってみると、イタリア語と英語のみで簡単な説明がなされて、すぐに解散でした。前回はこの避難訓練のみ、日本語の説明で行われたので、ちょっと拍子抜けという感じでした。日本人の乗客はもはやほとんどいないということなのでしょうか?
それでは次は上陸の様子を主に紹介したいと思います。