国債

国債(こくさい)とは、国が発行する「借金の証書」のことで、国民や機関がお金を国に貸し、国は約束した期間後にお金(元本)と利子を返済する仕組みです。発行根拠に基づき、利払いや償還(返済)は国が責任を持って行うため、非常に安全性が高い金融商品とされていますが、金利は低めです。個人で購入できる国債は以下のようになっています。

個人向け国債

個人向け国債は、結論を先取りして言えば、1年経過してしまえば金利が高い普通預金と同様の商品です。安全性・確実性を最優先にした場合、余剰現金の投資先としては最有力候補の一つとなります。また現状の金利上昇局面では、【個人向け国債 変動10年】が定石となります。

財務省「変動10年」商品概要

それでは個人向け国債 変動10年の特徴をみていきましょう。

特徴1:事実上、元本が保証されている。

特徴2:1年以上保有すれば、途中換金が自由に可能である。

特徴3:金利は半年ごとに見直され、金利が上昇すれば、受取利子が増える。

それぞれの点について詳しく説明していきまししょう。

特徴1:元本保証:債券というのは、保有期間中に価格が大きく下落した場合でも満期日には元本が償還されるという性格の商品です。これは個人向け国債でも同様です。ただし満期前に現金化を望んだ場合、その限りではありません。しかしながら個人向け国債の場合、それが以下で説明する途中換金のルールにより、事実上元本が保証されることになります。

特徴2:途中換金について:一般的に債券は、保有期間中に換金しようとした場合、市場価格での換金となり、場合によっては元本割れすることになります。しかしながら個人向け国債では、以下の特別なルールが適用されます。

変動10年という名称ですが、最低1年以上保有すれば、その後は、元本から「直近」2回分(つまり1年間)の金利をペナルティーとして差し引かれた上で、いつでも換金が可能です。つまり計算上は特徴1で挙げたように、元本割れしないことを意味します。数式で表すならば、

換金額=元本+これまで受け取った利子-直近2回分の利子

となります。途中換金は1万円単位で可能ですので、必要な金額だけを引き出す事(換金)が可能です。50万円購入して2年後に5万円だけ換金という事も可能です。また個人向け国債は流動性が高いので、いつでも現金化が可能です。

特徴3:金利の変動ついて:金利が半年ごとに見直され、上昇すればすでに購入した国債の受取利子が増える(ただし反対に金利が下がれば、受取利子も減る)ことになります。これは昨今の物価高(=インフレ)に対応の意味合いがあります。ただし国債の金利の上昇率は、実質的なインフレ率には追従できないであろうという留保は必要です。ただし個人向け国債は実勢金利がマイナスになっても、0.05%が最低保証されている点も注目しておく必要があります。つまり金利は0.05%以下に下がることはない商品です。

国債を購入した金融機関・証券会社が破綻した場合

平成15年1月以降に発行された国債は振替国債としてペーパーレス化されていますが、振替国債の権利の帰属は、振替口座簿の記載又は記録により定まりますので、振替国債の口座を開設している取扱機関が破綻したとしても、その権利は保護され、利子や償還金が受け取れなくなることはありません。口座は他の取扱機関へ移すことができます。またその限度額もありません。(財務省HPより)

課税について

国債の利子、および譲渡益及び償還差益については、税率20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)で課税がなされます。またこの課税額は、申告分離課税の対象となっており、これらの所得間での損益通算が可能となっています。なお、利子については、利払時に源泉徴収が行われます。

現状の利子について

購入について

楽天証券等、ネット証券でも購入可能です。

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フェルドハイムにおける再生可能エネルギー事業

ドイツ連邦共和国ブランデンブルク州にある集落フェルドハイムでは,現在(2024年)陸上風力発電,太陽光発電,バイオガス発電,村内全域への温水供給システム,蓄電施設が稼働しており,さらに水素の生産・貯蔵設備の建設が進められている.フェルドハイムは人口130人,世帯数30余りの集落にもかかわらず,それゆえにドイツ国内のみならず,全世界から視察が殺到する地域となっている.その様相は,外部の観察者の目線からすれば,まるで再生可能エネルギーに関する常設の一大ショールームのようである.

しかしながらよく注意して観察すると,それぞれの事業は,特定の企業の主導によって,地域社会と分離した形で運営されているのではなく,フェルドハイムの地域社会ないし市民社会と企業とが,有機的かつ不可分の形で協働する形で機能していることに気付かされる.

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